日本で就職するために必要な知識ついて、総論から各論までを多岐にわたって解説していきます。
就職活動を行う為の心構えや準備すべき事柄の解説は勿論、就職活動に関する用語解説や、様々なシーンにおけるルールやマナーなど、実践的な内容を網羅しています。

  • J:仕事研究(医療・健康に関わる職業)

日本就職AtoZ > J:仕事研究 > 日本で就職する際に必要な資格の例 > 医療・健康に関わる職業

●医療・健康に関わる職業

○医師 ・・・ 医療分野の先導役

医師は大きく分けると、基礎医学を研究する研究医と、患者の治療、予防にあたる臨床医の2つがある。臨床医は医療現場に立ち、人の命をあずかるので正確で迅速な診断、治療が求められる。また他の医療スタッフと連携するための協調性や、患者やその家族への思いやりといった人間性も必要だ。

⇒関連学問は・・・医学
医学部の医学課程(6年制)を修了すると医師国家試験の受験資格が得られる。この国家試験に合格し、初めて医師の資格が得られる。なお、合格後は内科・外科・小児科など基本的な診療科を幅広く経験する2年間の臨床研修が義務づけられている。

○薬剤師 ・・・ 薬の調剤から研究・開発まで

薬の調剤や管理、研究開発などに携わる薬の専門家。病院薬剤師は医療チームの一員として病院・診療所で薬の調剤や管理を任される。薬局薬剤師は薬品の販売にあたるだけでなく、医師の出す処方箋に従って薬を調剤するほか、薬のカルテの作成や服用指導なども行う。そのほか、製薬会社に勤務して薬品の研究や開発に携わる研究者になる人、製薬会社の営業販売や、医療機関に出入りして医師らに医薬品の情報を提供するMRという仕事に就く人もいる。

⇒関連学問は・・・薬学
薬学部には4年制と6年制の2種類がある。薬剤師になるには薬剤師国家試験に合格する必要があるが、受験資格は6年制課程の修了者にしか与えられないため、薬剤師の資格取得を目指す人は6年制薬学部への進学が必要だ。製薬会社や大学で新薬の研究に携わりたいなら、必ずしも薬剤師の資格は必要ない。4年制を卒業後、大学院修士・博士課程へ進学するのが早道だ。

○歯科医師 ・・・ 歯の治療・予防が専門

ほとんどの人が一度はお世話になったことがある歯科医。虫歯や歯周病など歯のトラブルだけでなく、かみあわせなど口腔内の医療に携わる。そのほか、予防指導をするのも歯科医の役割だ。病院や診療所に勤務するほか、大学院に進んで研究に従事する者、保健所や行政機関で公衆衛生の普及に携わる歯科医など、様々な道がある。

⇒関連学問は・・・歯学
歯学部の歯学課程(6年制)を修了し、国家試験に合格すると歯科医師免許を取得することができる。合格後は、大学または指定の研修施設で1年以上の臨床研修が必修となっている。

○看護師・保健師・助産師 ・・・ いちばん身近なライフサポーター

看護師は医師と協力して病人やけが人を看護し、回復の手助けをする。病院以外にもごく少数だが企業などに勤め健康管理に従事する人もいる。医療の発達で看護師の領域も高度化・複雑化している。看護師の中にはがんや老人・小児などの特定分野を専門にするほか、大学院へ進学してさらに研究を進める人もいる。また保健師や助産師の資格を合わせて取得する人も多い。保健師は保健指導の専門家だ。都道府県・市町村の公務員として地域住民の健康づくりなど保健活動を行っている人がほとんど。事業所や学校などで職員や生徒の健康管理を行っている保健師もいる。助産師は女性の妊娠・出産・子育てに関わる健康問題を中心に、ケアや指導を行う専門家。新生児への保健指導も仕事だ。病院、診療所、保健所などで働くほか、助産院を開業している人もいる。

⇒関連学問は・・・看護学
大学・短大などに3年以上在学し、必要な学科を修了すると国家試験の受験資格が得られる。養成機関には3年制の短大・専門学校も数多くあるが、看護をより学問的に学びたい人や、幅広い教養を身につけたい人には大学進学がおすすめだ。なお、これまでほとんどの大学で卒業時に看護師と保健師の国家試験受験資格を取得することができたが、2011年度入学生から保健師教育を行わない大学や希望学生のみの選択制とする大学が出てきている。どの受験資格が取得可能なのかしっかり調べたうえで進学したい。

○理学療法士・作業療法士 ・・・ リハビリテーションの中心的役割

理学療法士は病気やけが、老化などで身体に障害をもつ人に対して、運動療法や物理療法を行うなどして、身体機能の維持・回復をはかる。一方、作業療法士は心身に障害のある人に、さまざまな作業活動等を用いて、主体的に生活できるよう手助けしていく。 理学療法の目的は基本動作能力(立つ・座る・歩くなど)の維持・回復であるのに対して、作業療法は応用動作や社会的適応力(食事をする・着替えるなど)の増幅に重点が置かれている。両者とも勤務先は一般・総合病院、リハビリテーションセンター、肢体不自由児施設など多岐にわたる。

⇒関連学問は・・・理学療法学、作業療法学
理学療法士・作業療法士になるには、ともに理学療法学科、作業療法学科といった指定の養成施設を卒業後、国家試験に合格しなくてはならない。国家試験は例年8~9割程度と合格率は高いが、養成施設への入学が難しい。4年制大学は定員数が少ないうえに、人気も高く難関学科のひとつとなっている。

○臨床検査技師 ・・・ 医学検査のスペシャリスト

医師が診断や治療時に必要とする、患者の生化学や生理機能のデータを検査・測定・分析して医師をサポートする。具体的には患者の血液や尿の検査、心電図や脳波の測定などを行う。現代医療において、臨床検査は病気の診断や治療の経過を科学的に判断するために欠かせない。また検査技術は社会の様々な場所で必要とされており、医療機関のほか、研究所、大学研究室など、進む道も多様だ。

⇒関連学問は・・・検査技術科学、衛生技術学など
臨床検査技師になるには、臨床検査技師国家試験に合格する必要がある。受験資格は主に保健衛生系学科で所定科目を修了した者が得られる。仕事内容を考えると、生物系や化学系を履修しておきたい。

○診療放射線技師 ・・・ 医療現場で放射線を扱う

医師の指示のもと放射線を医療現場で扱うのが診療放射線技師だ。X線を使ったレントゲン、CTでの撮影や、ラジオアイソトープ検査、放射線治療のほか、MRIや超音波検査など、放射線を使用しない医療機器も扱う。また、放射線は扱い方を間違えれば大きな危険を及ぼすこともあるため、放射線の安全管理も重要な仕事のひとつだ。放射線医療は現代の医療において進歩の著しい分野のひとつであり、今後もその重要性や活躍の場は広がりそうだ。

⇒関連学問は・・・放射線技術科学
診療放射線技師になるには、指定の養成施設を卒業後、診療放射線技師国家試験に合格する必要がある。

○栄養士・管理栄養士 ・・・ 理想の食生活を提案する

栄養士は栄養学の専門知識と技能をもとに、正しい栄養計画を立てる食のスペシャリスト。病院や学校などの集団給食施設で献立づくりなどをする。一方の管理栄養士は栄養士の上位資格で、さらに高度で専門的な知識が要求される。管理栄養士の仕事は保健所や病院、学校、給食関連会社で栄養指導をするほか、栄養士の指導を行うのが一般的。なかにはフードコーディネーターやスポーツ栄養士、企業の商品開発など、食事や健康に関するさまざまな分野で活躍する人もいる。

⇒関連学問は・・・食物・栄養学
栄養士の資格は大学・短大などにある栄養系学科を修了すると得られるが、管理栄養士になるには国家試験に合格することが必要だ。国家試験の受験資格は、管理栄養士養成課程(4年制)を卒業すれば得られる。その他の栄養系大学・短大などを卒業した場合は、一定年数の実務経験を積む必要がある。大学への進学を考えている人は、管理栄養士養成課程であるかどうかをしっかり確認しておこう。

  • 沖縄ツーリスト
  • コニカミノルタ
  • TOTO
  • 島津製作所
  • 住友科学